2018年4月27日金曜日

マレーシア・ボルネオ島 パナタラン川~ローズガリー沢登り

3/24(1日目)
いよいよ入山です。
入渓地点までサバパークスの方が送ってくれることになり、ホテルまで迎えに来てくれました。
快適な車でした
いよいよ入渓です。
2004年にキャニオニングでローズガリーを下降したマーティンさん(サバパークススタッフ)も見送りに来てくれました。
ドライバーさんとマーティンさんと記念撮影
記念撮影をしたら出発。本流であるパナタラン川を遡り、ローズガリーを目指します。
昨日の下見と同じで、相変わらず水は濁っています。

最初は河原です

水は濁っています

最初の滝(右から巻きます)
水量はそんなに多くないものの、濁りで足元が見えないので渡渉がしづらいです。

ここは深くてちょっと大変
昼過ぎには雨が降ってきました。
雨の中進みます

雨がひどくなってきたので、行動終了。
ここらで泊まろうかと言っていたら、成瀬さんが「あの先に岩屋があるんじゃないか?見に行こう」と。そして、「あったよー!」行ってみると狭い岩屋が。でも整地したら快適に寝れるようになりました。
沢は増水

雨でも焚き火とお酒があれば楽しいです

だいぶ増水しました


くつろぎタイム
3/25(2日目)
水はだいぶ引いていて、問題なさそう。
また夕方には雨が降るかもしれないので、どんどん進みます。
本流の水を飲む時は浄水器を使用しました
先の方にキナバル山が見えてきてテンションが上がります




マングローブスネーク。毒蛇だそう。


こんな感じで進んでいくと、両岸が立ってきて、奥には滝が。
これは無理そうなので、少し戻って右岸から巻きます。

ガレ場から上がって、ブッシュへ

ジャングルはトゲのある植物もあって、大変です。


泥壁登りなんかもあって、巻き終わり、再び沢へ。
沢へ降りるとまた滝が見えます。
あれも無理だなー。でも雨がひどくなってきたので、今日はここまで。


安定のスコール。そして今日も増水。

右岸の高台(人がいるところ)に泊まりました。

斜面を平らにならすとどんどん水っぽくなって、田んぼみたいになってしまいました。
これは不快すぎると、試しに草を引いてみたら結構いい感じ。


寝れる状態になりました。

ふかふかして快適

タープを張って完成


快適な焚き火

3/26(3日目)
まだ増水気味でしたが、とりあえず出発
左岸に渡って、この日も藪漕ぎからスタート


ラタンは痛くて参ります

ウツボカズラ

ヒルは思ったほどはいませんでした
しばらくジャングル藪漕ぎをした後、空中懸垂で沢へ。



いつも14時くらいから雨でしたが、この日は昼過ぎには降り出してきてしまいました。
急いで対岸に渡り、高台へ。

増水したら渡れません

とりあえず岩陰で雨宿り(結構濡れる)

「パンツを首巻にしたら調子いいんだよー」

「帽子にしてもいいなあ」
待っていても雨はやまないので、タープを張って泊まる準備

とりあえず焚き火

服を乾かします

ちょっと狭いけど楽しい空間

この日は行動時間が短くあんまり進みませんでした。

3/27(4日目)
夜中に手に違和感があって目が覚め、見たらたっぷりと血を吸ったヒルが。
血だらけでした
この日はなんだかよい天気。
空気が少し変わってきたかな?

そして、滝が見えてきた!
これがローズガリーかな?と思いましたが、これは一つ手前の支流。これも魅力的。
支流の滝
そして、いよいよローズガリーが見えてきました。
いよいよだー
毎日ひどい雨で、予定よりちょっと遅くなりましたが、やっとローズガリーの出合いに着きました。また雨が降りそうな感じになってきたので、急がないと。
F1
天気が悪くなるとまずいので、佐藤さんにササっと登ってもらうことに。
左のクラックを登ります

あとはみんなユマーリングして荷揚げ

2ピッチ目
F1を登った奥にはチョックストーン滝が。

これは無理だけど、側壁を登るのも大変そう。

佐藤さんがボロボロの壁をどんどん登っていきます。
コケコケ、ボロボロ、ヌルヌル。よくこんな所を・・・。

フォローはユマーリングで上がって、ゴルジュの上のへ。

ほっと一息。
そしてここからまたジャングル藪漕ぎ。
土砂降りの雨になってしまい、藪も濃く、つらい感じで進んでいくと、ゴロゴロと大きな音が。
成瀬さん「この音は何だ?雷か?」
田中「いやこれは雷じゃなくてゴルジュ内で落石があったんじゃないかな?」
と話してたら、音が一気に大きくなって、爆発的な感じに。
ちょうど少し開けた場所に出たら、対岸からゴルジュに土石流が流れ込んでいました。
土砂と水、そして巨大な岩が大量に落ちてきていて、焦げるような臭いと砂煙が。
こちらにも岩が飛んでくるのではないかという勢いでした。
みんな呆然と見つめていました。


正面と右から土石流が

ゴルジュ内にいる時にこんな事になったら、命がなかったのでは。。。
岩山で土砂がないはずなのに何故川の水が濁っているのか?何故スコールの際にあんなに川が濁るのか?というのはこれまでもみんなで話していましたが、ここで答えが分かりました。
この先にも同じような事が起きている場所があるはず。
あまりに危険すぎるという事で、僕らの溯行はここで終わりました。

強い雨が降り続き、今日はここで泊まることに。

大きな葉っぱで雨宿りするトシゾーさん


狭い場所でしたが、何とか整地してタープを張ります

この日も良い焚き火ができました
3/28(5日目)

昨日の土石流が嘘のように、対岸の支流は穏やかになっています。
入渓地点に戻ります。

指さしているあたりに泊まりました。
最高到達点は標高1400m。キナバル山頂までは約2700m!

あとは帰るだけ。どんどん下っていきます。
パナタラン川本流も随分砂が多かったのですが、上流からたっぷり供給されているからなんですね。
埋まる人
気候もやっと乾季に入ってきた感じでさわやかな空です。
行きに空中懸垂した場所を少し下流側から登ります。

泥クラック~マントル

ちょうど良い時間に2日目のキャンプ地に着いたので、ここで泊まりました。

3/29(6日目)
今日中に帰ろうとどんどん下ります。
雨が降り出すと動けなくなるので、午前中が勝負。
飛び込んで泳ぎます
なんとか雨が降り出す前に入渓点に着きました。
マーティンさんが迎えに来てくれました。
下山しました

マーティンさんに写真を見せる
入渓点に到着したちょっと後から結構な雨。
帰り道も雨でした。雨に悩まされる毎日でした。

帰りにマーティンさんに車の中で話を聞きながら帰りましたが、パナタラン川は3年前の地震まではとてもきれいな川だったそう。
地震で変わってしまったとの事。
僕らは3年もたったし、地震の影響はもうないかと思っていました。この川が元通りになるにはあと何年かかるのでしょうか?

帰ったらおいしいカレーの夕食。
無事戻ってみんなでおいしいご飯を食べれて良かった!

日本に帰ってから、過去の衛星写真を見たら現在の状態と全然違くてびっくりしました。
それぞれ上が地震前で下が地震後です。
C1付近



一つ手前の支流からローズガリー出合のあたり


ローズガリー下部



ローズガリー中間部



ローズガリー上部




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